飴の糖化製法について

飴の製造には必ず糖化という工程があります。
これは原料の澱粉質や澱粉を加水分解することを言います。この加水分解は水に溶けない微粒子の澱粉を水に溶ける甘味のあるものに換える大切な工程であり、その方法により製品に大きな差が生じます。

現在用いられている糖化方法は主に下記の3つの方法です。弊社の『こづち印米飴』は①麦芽糖化法を用いています。

昔ながらの製法に独自の技術を駆使し、麦芽という『自然の酵素群』に最適な科学的、物理的条件(温度、濃度、pH、撹拌度、反応時間等)を付与したことで、米飴の持つ風味や芳香、うまみといった特質をあますところ無く引き出し、しかも製品として安定した品質を保持することが可能となりました。

①麦芽糖化法麦芽の中には各種の糖化酵素(アミラーゼ)が含まれているので、適当な条件を与えてやると完全に糖化が進行します。麦芽はこのような糖化酵素を含むだけでなく、各種の蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)を含んでおり、原料中の旨みの素、芳香風味の素になる成分に作用します。
米を原料にして麦芽を使って水飴を製造した場合、これら二つの酵素作用が働いて、甘くて粘いだけでなく、米飴特有の風味、芳香を持つに至ります。
米飴は、原理的には米を原料とし麦芽で糖化すると言う、昔ながらの誠に単純な製法であり、自然に逆らわない製法です。そして米が欠けても麦芽が欠けても米飴にはならないのです。

メリット :旨み・風味・芳香を持つ、天然由来の製法。
デメリット:大量生産に不向き、熟練の技術が必要。

②酸糖化法澱粉を硫酸、塩酸、蓚酸のような強酸を使って高温高圧で処理して糖化し、その後使用した酸を中和する方法です。糖化の時、酸の作用は澱粉だけではなく原料に含まれる蛋白質にも作用して製品が着色し易くなる性質があります。
また水飴製造時に、水飴には好ましくないぶどう糖が多く出来、麦芽糖の生成が少ない傾向があります。さらに甘味の強い水飴やぶどう糖を製造しようとすると強い苦みのある物質が生成し、これを除き難いなどの欠点があります。

メリット :容易に製造可能。
デメリット:酸を中和時に塩(苦味成分)が発生し、取り除く際に
      旨み・風味・芳香も除去してしまう。人工的な製法。

③酵素糖化法現在の糖化製品のほとんどはこの方法により製造されています。
純粋な、又はほとんど純粋な酵素(澱粉加水分解酵素・アミラーゼ)を使用して糖化します。この酵素には色々な種類があり、微生物を培養したり、大豆、小麦などの穀物から抽出する事でも得られます。この糖化法は作業性、安定性に優れ、酵素使用は業界合理化への切り札になりました。
しかし純粋な酵素を使用するため、旨み・風味・芳香のない粘り気と甘味のみの飴になります。

メリット :容易に製造可能・不純物がないため安定性に優れる。
デメリット:旨み・風味・芳香がない。




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